【イベントレポート】 技術と挑戦が未来を切り拓く~AWS DeepRacerで得た学びと共創~

2025年2月7日(金)、大阪市都島区の西日本電信電話株式会社様(以下:NTT西日本様)が運営するオープンイノベーション施設QUINTBRIDGEにおいて、AWS DeepRacerイベントが開催されました。アジアクエストは、学生インターンを主体に現役のAIエンジニアをメンターとする形で参戦し、計4チームが参加したレースにおいて、見事優勝を果たしました。本イベントを通じ、技術力の向上はもちろん、共創による新たな可能性と素晴らしさを感じた一日となりました。

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■ AWS DeepRacerとは

AWS DeepRacerは、Amazon Web Services, Inc.様が提供する強化学習(Reinforcement Learning)を活用した自律走行車によるタイムレース型イベントです。参加者はAWS上で強化学習モデルを作成し、実機で走行タイムを競います。このイベントは2018年からスタートし、グローバルに展開。これまでに AWS DeepRacer には、世界 150 か国以上から 56 万人以上のデベロッパーが参加しています。

■アジアクエストが参画する意義

アジアクエストは、DX推進を支援する企業として、クラウド、AI、IoT等を活用した開発に取り組んでいます。2024年4月からQUINTBRIDGEの3Fに大阪オフィスを設立し、NTT西日本様を始めとした他社様とのイノベーションの共創に取り組んでいます。今回のイベント参加は、学生インターン生に向けて機械学習の面白さを実感してもらい人材の育成につなげること、そして共創による新たな挑戦の場として位置づけました。

■アジアクエストがモデルの作成において工夫した点

今回アジアクエストがモデル作成において工夫した点は3つです。

  1. 一つ目はモデル作成時のパラメーター選択です。モデル作成時のパラメーターにはContinious(連続)とDiscrete(離散)と呼ばれる二つのパラーメーターが存在し、それぞれにメリット/デメリットが存在します。アジアクエストは今回より短い学習時間で済むことがメリットのDiscreteを採用しました。

  2. 二つ目はカーブでの曲がり方と速度設計において、報酬をどのように設計するか(機械学習において、何を以て良い走行と設計するか)です。当初設計の方針を「速度が速いほど良い」という方針で設計をしましたが、安定性が欠如するという問題が発生したため、「安定して曲がることが重要」という方針で設計を致しました。具体的には速度を維持しながら安定したカーブ走行を実現するために、「曲がり方」と「速度」の2軸で報酬設計を行いました。

  3. 三つ目は実際のレースを想定し、サーキットを物理的に再現し、実際の走行データを収集した点です。カメラに影響する光の強さや反射、走行時に発生する振動や摩擦など仮想空間だけでは気づかない問題を事前に把握しておくことが、現実世界で直面する課題の解決に役立つと考えました。

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■レース総評

アジアクエストは、短期間で強化学習モデルを作り上げ、レース当日に臨みました。アジアクエストはコースアウトしないように安定した走行を心がけるのが今回の作戦で、学習モデルにおいてもその点を工夫しました。各チームが作成したモデルがインストールされた自律走行車がコーナーをうまく回るたびに会場からは「すごい!」という感嘆の声があがり、車がコースアウトした際は「あー惜しい!」という声が聞こえ、会場は熱気に包まれていました。
結果としてアジアクエストは安定した走行でベストラップ8.292秒を記録、優勝を勝ち取りました。

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■参加者同士の温かさと仲間意識

イベント当日はレースで使用する実機に各チームが事前に作成したモデルのインストールがうまくいかないトラブルがあり、開始が遅れる事態となりましたが、その間にQUINTBRIDGEならではの参加者同士での自然なコミュニケーションが発生したり、その場を明るく楽しく盛り上げてくださる他レース参加者(NTTビジネスソリューションズ株式会社様と、アマゾンウェブサービスジャパン合同会社様)のお陰もあり、会場の雰囲気はとても素晴らしく、その場の全員が一体感を感じることができました。

■今後の展望

アジアクエストは、引き続き技術革新と人材育成に力を入れていきます。今回のAWS DeepRacerで得た知見を活かし、今後も各種の共創活動を通じてクラウド/AI分野を推進してまいります。また、学生や若手エンジニアが挑戦しやすい環境づくりにも引き続き取り組んでいきます。

■アジアクエスト株式会社について

アジアクエストは、お客様のDX(デジタルトランスフォーメーション)に必要なコンサルティングから、デジタルテクノロジーを駆使したシステムの設計、開発、運用までを一貫して伴走支援します。
IoT、AI、Cloud、Mobile、Web、UI/UXの各デジタル分野の専門テクノロジーチームを有し、お客様のゴールに向けて最適なプロジェクトチームを編成します。DXに関する豊富な知見と幅広い技術力により、ビジネスモデルの有効性や技術的な課題を検証する為のPoCの実施やデジタルに対応した大規模なシステムの構築まで、スピーディーな対応が可能です。